ワクが生まれるまで、発達障害の事は全く知りませんでした。
児童発達支援士の資格を取るための勉強をしていた時、発達障害が7つ分類されている事に驚きました。
DSM-5では、発達障害を「神経発達症郡•神経発達障害群」というカテゴリに分類し、さらに7つに分けられる。
その7つの発達障害は以下です。
- 知的能力障害
- コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群
- 自閉スペクトラム症/自閉スペクトラム障害
- 注意欠如・多動症/注意欠如•多動性障害
- 限局性学習症/限局性学習障害
- 運動症群/運動障害群
- 他の神経発達症群/他の神経発達障害群
①知的能力障害(ID)とは
(知的障害者福祉法などの福祉的立場においては「知的障害」と使用していることが多い。)
知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの。
知的障害の程度は「軽度」「中等度」「重度」「最重度」の4つに分けられている。一般的には標準化された知能検査の結果による「知能水準」と「日常生活能力(自立機能、運動機能、意思交換、移動など)の到達水準」を基に判定を行っている。
②コミュニケーション症群(CD)とは
言語症、語音症、小児期発症流暢症(吃音)、社会的(語用論的)コミュニケーション症、および特定不能のコミュニケーション症群の5つがある。
•言語症/言語障害は話したり、書いたりするために言語を取得することの困難さを特徴とする疾患です。例えば、使える語彙が少ない、文章をつくることが苦手で主語と述語の順番がちぐはぐになる、相手に自分の思ったことを正しく伝えることへの困難などを生じることがある。学習障害がないかの確認が必要。
•語音症/語音障害とは、言葉をうまく発声できないことで引き起こされる疾患。語音症がある人が話している内容を周囲の人が完全には理解することができず、意思伝達が正しく行われない場合がある。言葉がどういう響きを持つのかという音韻的知識と、会話のために呼吸と発声をしながら顎、舌、そして唇の運動を調整する能力の両方が求められるが、語音症はこれらがバランスよく発達しない場合に引き起こされる。3歳以降に多少の発音の間違いなどがあっても8歳までにほとんどの単語が正確に発音できる場合は正常範囲とみなされる。治療することができない疾患ではなく、治療をすれば会話の困難は改善することが多い傾向にある。
•小児期発症流暢症とは、吃音(きつおん)とも呼ばれ、話し言葉が滑らかに出ない発話障害の一つです。音のくりかえし、引き伸ばし、ことばを出せずに間があいてしまうというような症状が特徴にある。発症するときの年齢は2~7歳である場合が多く、決して症状の治療や改善ができない疾患ではない。
•社会的(語用論的)コミュニケーション症は、社会生活においてのコミュニケーションに困難を感じてしまうことが特徴の疾患。ASD場合は行動、興味、及び活動の限定された反復的な様式が存在し、社会的コミュニケーション症ではそれらの症状が存在しない。1.周りの人との挨拶、情報の共有など、社会生活を送る上で重要なコミュニケーションをとることが困難。2.自身が置かれている状況に応じて適切な話し方を選択することが困難。3.人とコミュニケーションをとる上でのルールに従うことが困難。4.相手が言いたいことを推測、察することが困難。
•特定不能のコミュニケーション症とは、上記以外で日常生活においてコミュニケーションの障害が引き起こされたり、コミュニケーション症に特徴的な症状が発症していたりする場合に診断される。
※コミュニケーション障害は一般的にASD(自閉スペクトラム症)などの特性に伴うものや、ほかの精神疾患、知的能力障害に伴うものは含まれないため鑑別が必要である。
③自閉スペクトラム症とは(ASD)
言葉の遅れ、反響言語(オウム返し)、会話が成り立たない、格式張った字義通りの言語など、言語やコミュニケーションの障害が多くみられる。乳児期早期から、視線を合わせることや身振りをまねすることなど、他者と関心を共有することができず、社会性の低下もみられる。学童期以降も友だちができにくかったり、友だちがいても関わりがしばしば一方的だったりと、感情を共有することが苦手で、対人的相互関係を築くのが難しくなる。
発達早期から複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥がある。行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さなど)
※これらの障害が、知的能力障害や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと。
④注意欠如・多動症(ADHD)
ADHDを持つ子どもの脳では、前頭葉や線条体と呼ばれる部位のドーパミンという物質の機能障害が想定され、遺伝的要因も関連していると考えられている。
「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること。
※統合失調症または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと。また、一部の神経疾患・身体疾患・虐待・不安定な子育て環境などが子どもにADHDそっくりの症状を引き起こす場合があるので注意が必要。
⑤学習障害 限局性学習症(LD)
学習障害とは全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のこと。読字障害、書字障害、算数障害の3つに分かれている。
目安としては、学校での学習到達度に遅れが1~2学年相当あるのが一般的で、読字障害は、文字が読めないのではなく、文章を読むのが極端に遅く、読み間違えることがよくある。書字障害は文字を書いたり文章を綴ったりするのが難しい。読字障害があると書字障害も伴いやすい。算数障害は計算や推論することが難しい。例えば、数の概念がわからない•計算の習得が困難•文章題が解けないなど。
⑥運動症群(発達性協調運動症(DCD)やチック症、トゥレット症や常同運動症など)
発達性協調運動障害(DCD)とは、手足の動きなど身体の動きをコントロールして行う協調運動が年齢相応に行うことができず、日常生活に支障が出る場合に診断される。例えば、物をつかんだり、はさみや刃物などの道具を使うことが不正確である、書字に困難が生じるといったものが、日常生活に困難さを与えている状態。協調運動とは、縄跳びやキャッチボールなど、個別の動き(手と足など)を一緒に行うこと。
DCD(発達性協調運動症)のある人は、粗大運動や微細運動、またはその両方における協調運動が同年代に比べぎこちなく、遅かったり、不正確だったりする。
子どもによって、乳幼児期の粗大運動には全く遅れや苦手はなかったものの、幼稚園や小学校に行くようになり、発覚することがある。
⑦他の神経発達症群は
①〜⑥以外の神経発達症。