発達障害の診断に使われる名称

注意欠如・多動症(ADHD)

同じ意味なのに、発達障害の名称が異なる単語を見つけました。

「精神遅滞」と「知的能力障害」

「広汎性発達障害」(「自閉性障害」•「アスペルガー障害」)と「自閉スペクトラム症」

日本では「障害」という言葉がネガティブなイメージを持つため、「症」言い換えている傾向のようですが、同じ意味でも色んな名称があるのはなぜだろう、そもそも発達検査の結果に使われている名称とは、どこからきているのか疑問に思いました。

診断基準には、DSMとICDがあります。

診断の際によく使用されるのは、DSMという、世界的な基準を用いることが多くなっています。

DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)日本精神障害の診断•統計マニュアル は、アメリカ精神医学会が発行しているもので、精神障害の判断基準•診断分類のことです。

1952年から改訂を重ね、2020年時点では5版(DSM-5)を、発行しています。

精神医学の研究や精神疾患の治療を行っている人が、こういう明確な診断基準をもとに、客観的な判断を下すことを可能にするために作成されたものです。

ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)は、WHOが作成している国際的な判断基準です。

DSMは、精神疾患のみを分類しています。

ICDは、疾病全般の分類をしています。

DSMとICDの精神疾患は、おおよそ同じ分類をしていますが、分類の仕方や名称が多少異なるものもあります。

DSM-5では、精神疾患の診断名が以下のような22のカテゴリに分かれております。

その中でも、発達障害は「神経発達症郡•神経発達障害郡」というカテゴリに分類されます。

  • 神経発達症群/神経発達障害群
  • 統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群
  • 双極性障害および関連障害群
  • 抑うつ障害群不安症群
  • 不安障害群
  • 強迫症および関連症群

更に、発達障害のカテゴリである「神経発達症郡•神経発達障害郡」には、以下の7つの発達障害に分類されます。

  • 知的能力障害群(知的障害)
  • コミュニケーション障害群
  • 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)
  • 限局性学習症/限局性学習障害(SLD)
  • 運動症群/運動障害群(発達性協調運動障害、チックなど)
  • 他の神経発達症群/他の神経発達障害群

いくつか診断の名称が混同しているのは、以前に作られたDSM-4での名称とDSM-5での名称が使われていることがあるからのようです。

例1

DSM-4では「精神遅延」

DSM-5では「知的能力障害」

例2

DSM-4では「広汎性発達障害」(「自閉性障害」と「アスペルガー障害」)

DSM-5では「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」

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