ADHD傾向のあるA子と漢字ドリルの宿題をしていた時の話です。
A子が漢字を間違えたので
まっ白い紙を渡して「間違えた漢字はここに漢字10個書いて、練習してね」と伝えて、私は別の作業をしていました。
しばらくすると、A子は座っていられなくなり、鏡の前でダンスをしたり、絵本をよんだり、ジャンプなどウロウロし出しました。
私が気づいて漢字ドリルを見ると、全部出来ていて、間違えた漢字も修正されていました。ただ、間違えた漢字を書いてね、と渡した白い紙には何も書かれていませんでした。
指示を聞いていなかったのかな?と思い、「この紙に、間違えた漢字を10個書いてね!」ともう一度説明。
A子は一度座るも、またソワソワ動き出して席を外して遊び出し、白い紙は何も書いていない。
やる気がないのかな?と思い、今度は「10個書けたら、おやつ食べようか」
すると、また机に座り、鉛筆を持ってやる気を出したのだが、今度は体を揺らしはじめ、相変わらず白い紙には何も書かず。今度は鉛筆を投げて怒り、癇癪をし始めました。○○(友達の名前)が叩いてきた!△△がカンニングした!などと嫌だったら思い出を言って大声で叫び、白い紙を、破いて大暴れしました。
私「何で怒っているの?」
A子「だって○○と△△がムカつくんだもん」
私「何で紙に漢字のお直し書かないの?」
A子「だって漢字がわからないんだもん。書けないんだもん」
やる気はあるようだけど、書くことが出来ずにイライラしている様子でした。漢字ドリルではちゃんと漢字は修正されていたので、漢字が書けないわけではない。嫌だった思い出話は、書けなくてイライラしてる時に思い出しただけの様子。
話を聞いても、何に悩んでイライラしているか、ちゃんと説明出来ないA子に、大きな声出さないで!暴れたらダメだ!と注意しても、火に油を注ぐような感じでした。
泣き疲れて机でぐったりし、「もう勉強なんてしたくない」と落ち込むA子に、
もしかして、白い紙のどこにどうやって漢字が書けないのかがわからないのかな?と思い、今度は白い紙に漢字を10個書くら欄を私が追記しました。機嫌の悪いA子に合わせて、A子の好きなキャラクターの絵を一緒に描いて渡すと、A子は突然笑顔になり、おとなしく座って白い紙に漢字を10個書きました。
私「白い紙のどこに漢字を書いたらいいのか、わからなかったんだね。」
A子は自分の悩みが言語化され、悩みが解決したら、明るい笑顔になって落ち着きました。
自分の悩みが、いくつもあって、自分でも何で悩んでいるのかわからず、理解もされず、悩んで、それが癇癪につながっていることもあるのだなと思いました。
悩みを自分で言語化し、問題解決する為に、「考える力」や助けられるのを待つのではなく、自ら動く「主体性」が大事だなと改めて思いましたが、その力をどうサポートしたら身につけられるのでしょう。。
別作業で放っておかず、かといって助け過ぎず、見守り、癇癪を起こす手前で、一緒にどうしたらいいかを、考えてもらうようにすればよかったと思いました。